転換期に於ける ART/X/TOYAMA

美術評論家
清水 康友

美術評論家
清水 康友




 富山国際現代美術展は、富山の地から日本は元より広く世界に現代美術を発信するため、美術家による自主企画展として誕生し、今回で10回を迎える。

 1993年の設立から30年以上の歴史を重ね、今日ではART/X/TOYAMAとして知られるようになった。

 近年私達は、コロナ感染による世界的パンデミックを経験し、全世界でこの災禍に挑み、これを乗り越えた。世界の平和と安定安全はオリンピックを始めとするスポーツ界では度々語られるが、文化芸術界でも同様で、今や人類は国や地域を越えて連携協力して問題に対処しなければならない。昨今地域の安定化を謳っての力による原状変更が、世界に激震を走らせている。これはその反動による犠牲が、あまりに大きすぎるのである。

 生成AIの出現により、社会経済ばかりか文化芸術を含めて人類の生き方は、大きな転換期を迎えている。殊に美術は制作者も鑑賞者も、全く新たな状況に直面する事となったのである。今こそ私達は“人”として機械が及ばない優位性を主張し、これを伸張させていくべきで、そのための大きな手立ての一つが、美術・アートである。2026 ART/X/TOYAMAが、これに大きく寄与できるものと、確信しているのである。

清水 康友(しみず やすとも)プロフィール

1954年東京都生まれ
早稲田大学教育学部卒業。東洋史、東洋美術史を学ぶ。
全国農業組合連合会(JA)美術コンサルタント。
損保ジャパン美術財団奨励賞展推薦委員。
淑徳大学エクステンションコース講師。市川市美術品購入審査会会長等歴任。
美術評論家として執筆、展覧会審査、講演活動を行う。
現在、国際美術評論家連盟会員